それでは、むし歯にならないためにはどういうことが考えられるでしょうか?
むし歯にならない方法を考えるためには、先ほどのむし歯を形成する4つの要素を思い出してください。
つまり、
歯・糖分・細菌・時間です。
では、まず
歯に対して何かできることがあるでしょうか?
歯の主成分であるハイドロキシアパタイトは酸に対して非常に溶けやすいということはすでにお話ししました。
ではこれを酸に溶けにくくすることはできないでしょうか。
そのためには
フッ素塗布が有効だとされています。
フッ素がハイドロキシアパタイトに取り込まれることによってフルオロアパタイトになると、耐酸性が向上します。
しかし、全く溶けなくなるわけではなく、また歯の内部まで変化が起こるわけでもないので、非常に有効な方法ではありますが完全ではありません。
歯で最もむし歯になりやすいのは、生えて間もない頃は、噛む面の溝だと言われています。
そこで、生えてきた早い段階で、この溝を樹脂で封鎖してしまう、
シーラントと言う予防法もあります。この方法も、虫歯予防には有効ですが、絶対にむし歯にならないわけではありません。
次は、
食事の回数やダラダラ食いを改善してみませんか?
歯の溶ける時間を短くし、再石灰化の時間が長くなれば、むし歯の発生を抑えることができそうですね。
また、
食事の内容も少し工夫できればより効果的です。
あともう一つが
細菌です。
ヒトの口腔内は、湿潤で適温であり養分の補給にも事欠かない、という点で細菌の繁殖には好都合です。
また、皮膚にほこりが付くのを完全には防ぐことができないように、口の中から細菌を駆逐することもできません。
しかし、少なくすることはできます。
その一つの方法が、
歯科医院で行うメインテナンスですが、それも毎日行うことはできず、せいぜい数ヶ月ごとですね。
プロフェッショナルクリーニングが有効であることはデータによって示されていますが、むしろより大切なのは、毎日のセルフケアにあるといえます。
むし歯にならないために、私たちは直接お手伝いできることは、
定期的なメインテナンスと
フッ素塗布、それに
シーラントですが、
食生活の改善や
毎日のセルフケア、
といった
生活習慣の見直しも、大切なことです。
あなたの歯はあなたのものです。
大切なあなたの歯をまもる、私たちはそのお手伝いを精一杯行いたいと思っています。